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要は、病気の早い時期にウイルス増殖を効率よく阻害する薬剤の組合せを使用することである。 これらの薬剤が働いている限り、ウイルスは増殖することができず、免疫をかわす突然変異体をつくり出すことができない。
ゆえにこの感染症は安定したままである。 治療的試験(いわゆる治験)の結果によると、三種の薬剤の組合せは、すべてが同時に服用され、そして少なくともひとつのプロテアーゼ阻害薬とひとつの逆転写酵素(RT)阻害薬を含む場合に、病気の進行を最も確実にくい止める。
そのような薬剤の組合せはHAART(多剤併用抗HIV療法)として知られている。 ウイルス量(すなわち、血液中のHIVの量)を監視することによって、医師たちは、これらの薬剤がどれほど有効に感染を制御しているかを知ることができるし、またCD4細胞のレベルから、どのように免疫系が対処しているかの目安を得ることができる。
もしウイルス量が上がり、CD4細胞の計数が下がり始めているならば、別の薬剤組合せに変えるときである。 一九九六年の幸福感の頂点がやってきたのは、医師たちが、併用療法を受けた多くの患者でウイルス量が検出されないことを報告したときであった。
体からの完全なHIVの根絶とエイズに対する治癒の可能性が議題にのぼった。 振り返ってみると、これは決定的に時期尚早であった。
完全に宿主細胞の染色体に組み込まれているウイルスを体から追い出すことはそう簡単なことではないのである。 体には、とくにリンパ腺や脳など、HIVが隠れ潜むことのできる場所がたくさんあり、血液のなかでさえ、新式のより高感度の分析法を用いると残存ウイルスが検出されるのである。
しかしながら、HIV感染の進行はHAARTによって止められるので、HIV感染の長期生存者の数がこれまで以上に増えていることだけは確かな真実である。 それでもなお、HIV陽性者たちの相当数がエイズへと進行する。
実際この数が非常に多いため、私たちがHAARTで時間を稼いでいるだけかもしれない、と考える医師もいるくらいである。 不成功はときにはウイルスの脱出突然変異体のためであり、この場合には患者に薬剤選択肢がなくなってしまう。

しかし別の場合には、問題なのは、突然変異よりも、ノンコンプライアンス医師による治療法に患者が従わないことのほうである。 これらの人たちが薬剤を服用しようとしない理由は、単にきわめて不快な副作用のためか、あるいは毎日飲む錠剤が余りにも多くて養生法「治療プログラム」のすべてを守ることができなくなるためである。

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